今回ご紹介するブルース・ギタリスト兼ヴォーカリストのジョニー・ヤング(1917-74)は、シカゴ・ブルース・シーンの顔として活躍した人物の一人。ミシシッピ州ビックスバーグにおいて、7人兄弟の3番目の子供として誕生した彼は、経済的な事情により小学校4年生で学校をドロップアウトすることとなりました。そんな彼は12歳頃より音楽に興味を持ち始め、ハーモニカ、マンドリン、そしてギターの演奏技術を独学で習得。地元で演奏していた「シッティン・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド(Sitting on Top of the World)」(1930年)のヒットでもお馴染みのミシシッピ・シークス(1930〜35)の演奏を手本に、多くのことを学んだといいます。そして15歳になると、ジョニーはハウスパーティーなどで演奏を開始し、総定額以上のチップを稼ぐように。これに手応えを感じた彼は、1940年にシカゴへと拠点を移動させました。 そして1940年頃より、サニー・ボーイ・ウィリアムスン、スヌーキー・プライヤー、ムーディー・ジョーンズ、フロイド・ジョーンズの伴奏を担当。ブルース界では珍しいマンドリン奏者としても名を馳せ、シカゴ・ブルース・シーンの立役者の一人として注目を浴びるようになります。また、ソロ・アーティストとしては力強く開放的なヴォーカル・スタイル、エレクトリック・ギターを用いた小気味良いリズムカッティング、鋭敏なソロなどで人気を集めました。その流れの中、1947年、48年と自身の名義によるレコードをリリースしますが、その後キャリアは停滞。一時はストリー トでのパフォーマンスに軸足を置くこととなりました。しかし1950年代後半から60年代前半にかけて興隆したフォーク・リヴァイヴァル・ブームを契機に、彼への評価が再浮上。以降はレコーディングの機会にも恵まれるようになり、テスタメント、ヴァンガード、アーフーリー、ブルース・オン・ブルースなどのレーベルに多くのLPを残しています。 本作はそんな彼が1966年、そして68年に残した2つのセッション音源集。アルバム前半のセッション・メンバーは、ギター/ヴォーカルのジョニー・ヤングを中心に、マディ・ウォーターズ・バンドでの活躍も知られるシカゴ・ブルース・シーン屈指のピアノ伴奏者:オーティス・スパン、鋭利な推進力を持った強烈なハーモニカ演奏で知られるジェイムズ・コットン。彼らにベーシスト:ジミー・リー・モリス、ドラマー:S.P.リアリーが加わった構成となります。この凄腕のメンツが奏でる強力な野太いブルース・サウンドをバックに、ジョニーは快活で奔放なヴォーカル、そして力強くキレの良いギター(一部マンドリン)演奏を展開。ベース・トラックのヴォリュームの大きさも手伝い、ブルース・フィーリング、グルーヴ感がガンガン迫りくる、まさに圧巻の12トラックとなっています。 アルバム後半はブルース史上最高のハーモニカ奏者:ウォルター・ホートンを筆頭に、〈ポストB.B.キング〉ことジミー・ドーキンス(ギター)、名セッション・プレイヤー:ラファイエット・リーク(ピアノ)、アーネスト・ゲートウッド(ベース)、レスター・ドーシー(ドラムズ)。後半の聴きどころは、やはり天才ホートンのハーモニカと、各メンバーの絡みがたっぷりと楽しめるインスト・ナンバー�欧筺▲献腑法爾隆堵�なヴォーカルが楽しめる��。アルバム前半のアッパーな演奏に対し、後半ではメロウで洗練された、豊潤なブルース・ワールドを堪能することができます。是非お楽しみに。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. Wild, Wild Woman 2. Keep Your Nose Out of My Business 3. I'm Having a Ball 4. My Trainfare Out of Town 5. I'm Doing All Right 6. Stealin' 7. Keep on Drinking 8. Hot Dog! 9. Come Early in the Morning 10. Moaning and Groaning 11. Cross-Cut Saw 12. Slam Hammer 13. Strange Girl 14. Ring Around My Heart 15. Sometimes I Cry 16. Don't You Lie to Me 17. On the Road Again 18. Walter's Boogie 19. Stockyard Blues 20. Drinking Straight Whiskey