音の「資料化、保存、普及」を通じ、人々が持つ文化的多様性や相違に対する理解/向上の促進を目指している米国の名門レーベル〈スミソニアン・フォークウェイズ〉。今回は同レーベルが所蔵する〈Cook Records〉のコレクションより、おすすめのカリプソ作品をご紹介いたします。 〈Cook Records〉はオーディオ・エンジニア兼発明家のエモリー・クック(1913-2002)によって1952年に設立(サブ・レーベル:Sounds of our Times /Cook Laboratories)。創業から66年にかけ、約140タイトルの作品をリリースしています。当時同レーベルの録音技術は〈世界最高品質〉とされていましたが、作品をいくつかお聴き頂けば、時代を感じさせないそのクォリティの高さに驚かれることかと思います。同レーベルのカタログを飾るのは、北米/南米/カリブ海のポピュラー・ミュージックと伝統音楽、そして機械音や自然音などの非音楽作品。魅力的な作品が並びますが、中でもカリブ海の音楽(カリプソ/スティール・ドラム/キューバ音楽ほか)のラインナップは、内容/録音クォリティ共に目を見張るような素晴らしさがあります。レーベルとしてはやや短命となってしまったCook Recordsですが、1990年になると、エモリー・クックは同レーベル所蔵のマスター・テープ、特許、その他をスミソニアン博物館に寄贈。Sithsonian Folkwaysを介し、現在は125タイトルのアルバムが流通しています。そんなレーベルのコレクションから、今回はトリニダード出身の大人気カリプソニアン:ロード・メロディを代表する名盤『カリプソ 1962』をご紹介いたします。 ロード・メロディは1926年、トリニダード島南西部の都市:サンフェルナンドで誕生。首都ポート・オブ・スペインの孤児院で育った彼のキャリアは、1940年代のカリプソ・テントから出発しました。当時の彼のライヴァルとしては、ロード・キッチナーやマイティ・スパロウ。特にマイティ・スパロウとは「Ten to One is Murder」「Cowboy Sparrow」「Belmont Jackass」などをはじめとした、歌を通じた熾烈な口撃戦が繰り広げられたことでも知られています。そんなメロディ初期の成功作としては、アドルフ・ヒトラーをあざけった「ベルリン・オン・ア・ドンキー」や、複数のレコード・レーベルよりリリースされた「ブー・ブー・マン」、そして1954年にカリプソ・モナーク・コンテスト(旧カリプソ・キング・コンテスト)で栄冠に輝いた「セカンド・スプリング」などが挙げられるところでしょう。そしてメロディは人気絶頂期の1956年にCook Recordsと契約。同レーベルからはソロ・アルバム4作をリリースしています。 今回ご紹介する作品は、そんな彼が1962年にリリースした人気重要作。シリル・ディアス・カリプソ・コンボのリズミカルな伴奏をバックに、皮肉とユーモアも交えたメロディの快活な歌声が響き渡ります。中でもトラック��の「Wau Wau」(通称「Shame and Scandal」)は、1943年にサー・ランスロットが録音した曲にメロディが新しい詩をのせたヴァージョンとなりますが、これが当時大変な人気を博し、ピーター・トッシュをリード・ヴォーカルとしたジャマイカのザ・ウェイラーズ、キングストン・トリオ、そして80年代にはマッドネスなどがカヴァー。この他にもカリプソと当時流行のダンス:ツイストを融合したアップテンポな� ▲�ウベルの刻むリズムと「ボング・ボング・ボング」と歌うサビのコンビネーションが楽しい�い覆匹い困譴睫抄並靴ぁ�カリプソ・ファンの方、中南米音楽ファンの方必携の一枚です!