2025年3月23日発売新譜 Rice Records × Museu do Fado Discos コラボ企画第10弾！ ファドの伝統と歴史を映し出す、テレーザ・シケイラ待望の最新作！
ポルトガルを代表する音楽ファド。その歴史と文化を広める役割を担うリスボン市立ファド博物館“Museu do Fado”は、貴重なアーカイヴの収集・保存を行うと同時に、現在のシーンを牽引するアーティストを紹介するレーベル‘Museu do Fado Discos’を運営しています。ライス・レコードでは、これまで同レーベルの珠玉の作品を日本に届けてきました。そして今回は、ポルトガルのファド界を象徴する存在、テレーザ・シケイラが34年ぶりにスタジオに戻り制作した2023年作品『レトラート（肖像）』を取り上げることにいたしました。 テレーザ・シケイラ（1953- ）は、歌手としてだけでなく、ファドの歴史に深い足跡を残してきました。マリア・テレーザ・デ・ノローニャ、ヴィセンテ・ダ・カマラ、エルマーノ・ダ・カマラの親戚筋にあたる彼女は、幼少期からファドを歌い始め、1974年にオムニバス・アルバム“Uma Noite no D. Rodrigo”に参加し、レコード・デビューを果たしました。また1993年から2004年にかけて、リスボンの伝説的なカーザ・ド・ファド（ファドを聴かせるレストラン）「Taverna do Embuado」を10年以上に渡って運営した彼女は、音楽家／詩人／歌手／国家の要人、さらにはアマリア・ロドリゲスやベアトリス・ダ・コンセイソーンといったファドのアイコンたちもそこに迎えました。またこの店は、カマネーやカルミーニョといった今を時めくファディスタたちが成長する場でもありました。その閉店から20年以上が経った今も「Taverna do Embuado」はファドの記憶の中に息づいています。その象徴として、本作のプロモーション曲��「Poeira que vai no vento（風に舞う埃）」と��「A festa de Lisboa（リスボンの祭り）」のミュージック・ヴィデオは、かつての店を舞台に撮影されたそうです。ここにはかつての面影が色濃く残り、ファドの魂が宿る空間として、多くの人々の記憶に刻まれています。 そんな本作のプロデュースを手掛けたのは、彼女の娘であり現代ファド界を代表する歌手の一人、カルミーニョ（1984- ）。2024年の秋に来日公演を行って大喝采を浴びたことでも知られるカルミーニョは、伝統を尊重しつつ洗練されたサウンドをここで追求することで、母テレーザのファドを新たな形で蘇らせました。ファドの歴史と記憶を映し出す、時を超えたポートレートという意味を込めて付けられたタイトル『レトラート（肖像）』は、テレーザ・シケイラが1990年以来初めて制作したアルバム。ここではリスボンの街並み、愛や別れ、そして人生の儚さといったファドの典型的なテーマが散りばめられており、そんな伝統的な要素を通して彼女の人生とファドへの深い愛を映し出す内容となっています。ファドの詩情に満ちた本作は、彼女の歩んできた道と共に、聴く者の心に深く響くことでしょう。 ファドの歴史において欠かせない存在である彼女が、長年の経験と想いを込めた珠玉の一枚です。
●日本語解説／帯付き
トラックリスト 1. No chames pela saudade (Fado Tango) 2. Alfama bairro velhinho (Fado Trs Bairros) 3. Poeira que vai no vento (Fado Georgino) 4. Desde que tu partiste (Fado Alexandrino) 5. Lisboa da cor da ponte 6. No me conformo 7. Praia perdida (Fado Isabel) 8. Guitarrada no estdio II 9. Vagas paixes 10. No acordes minha dor (Fado Porto) 11. Porque que adeus me disseste (Fado Pedro Rodrigues) 12. O vento agitou o trigo (Fado Rosita) 13. Perfil da tua imagem 14. A festa de Lisboa 15. Vesti a minha saudade (Fado Vianinha)
