英国が誇る〈黄金の声を持つ男〉こと、ブルー・アイド・ソウル・シンガー/SSW/マルチプレイヤーのポール・キャラック(1951- )。60年代後半にデビューして以来、エース、スクイーズ、マイク・アンド・ザ・メカニックスなど英国ミュージック・シーンにおける重要バンドに在籍し、90年代以降はエリック・クラプトンをはじめとするビッグ・ネームたちの重要ツアー・メンバーとしても活躍を見せている彼ですが、ここ二十余年は、自身のインディペンデント・レーベル〈キャラックUK〉からのコンスタントなソロ作品リリースやライヴツアー活動にも心血を注いでいます。また、2024年には大規模なメモリアル・ツアーを英国で展開するなど、彼の止まることなく前進し続ける姿勢には敬服するばかりです。 近年はドイツの名門ビッグバンド〈SWR〉とタッグを組み、往年のR&B、ブルース、ゴスペル、カントリー、ジャズの名曲を快演した作品『ドント・ウェイト・トゥー・ロング』などもリリースし、こちらも話題となりましたが、そんなポールが今回手掛けたのは、彼のキャリアにおける初の試みである〈カントリー・アルバム〉。カントリー/ゴスペル・アーティスト:スティーブン・ウッドとタッグを組み、彼の長年の夢を実現させました。このことについて、ポール曰く「ずっとカントリー・アルバムを作りたいと思ってたんだ。多くの人が僕の音楽からソウルの影響を感じ取ってくれているけど、僕はカントリーもソウルと同じぐらい大好きで、子供の頃はチェット・アトキンス、エヴァリー・ブラザーズ、ハンク・ウィリアムズなんかを良く聴いてた。僕のお気に入りのアーティストはレイ・チャールズだけど、彼だって素晴らしいカントリーソングを歌ってたんだよ。それに80年代にニック・ロウとバンドを組んでアメリカをツアーしていた頃には、ツアーバスの中でいつもジョージ・ジョーンズやウィリー・ネルソン、それにオズボーン・ブラザーズみたいなアーティストの演奏を聴いてたね」とのことです。 そんな本作『カントリー・サイド・オヴ・ポール・キャラック VOL.1』では、ナッシュビル・スタイルの美しいストリングスをバックに、ドン・ギブソン(①)、マール・ハガード(⑤)、ハンク・スノウ(⑦)、ハンク・ウィリアムズ(⑨)、そしてレイ・チャールズ(⑧:楽曲はハンク・ウィリアムズによるもの)などによるカントリー・ソングの名曲をカヴァー。いずれも60年代初頭~70年代前半の雰囲気漂う、ポールの昔ながらのお気に入りのナンバー8曲が厳選されました。そしてそこへ、彼自身が作詞作曲を手掛けたナンバー2曲(クリス・ディフォードとの共作「In The Cold Light of Day」(⑥:2018年)や、ピーター・ヴェイル/ジム・キャパルディと共作したイーグルスのヒット曲「Love Will Keep Us Alive」(③:1993年))もプラス。ポールが長年夢見て来たカントリー・アルバムであるだけに、もちろんその仕上がりは大変素晴らしいものに。是非ご期待ください。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. Sea Of Heartbreak 2. Take Me 3. Love Will Keep Us Alive 4. Heartaches By The Number 5. Shelly's Winter Love 6. Cold Light Of Day 7. It Don't Hurt Anymore 8. Take These Chains 9. I Saw The Light 10. My Baby's Gone
2025年7月13日発売 PAUL CARRACK / THE COUNTRY SIDE OF PAUL CARRACK - VOLUME 1