かつて80年代に一世を風靡したザ・コミュナーズの「Don't Leave Me This Way」においてサブ・ヴォーカリストとしてフィーチャーされ、その後ソロ歌手として日本でも大きく紹介されてきた英国人女性歌手サラ・ジェーン・モリスが素晴らしい作品を携えて戻ってきてくれた。元来ソウルフルなヴォーカル・スタイルを持つ彼女が、本作ではアフリカ各地からやってきた音楽家らをゲストに、ネイティヴなサウンドを大きく取り入れ、その音楽的ルーツをさらに掘り下げるという意欲溢れる作品だ。ボブ・ディランの「I Shall Be Released」のカヴァーを取り上げるなど、メッセージ性を重視した歌詞と共に、渋みが増し魅力的となった彼女のハスキー・ヴォイスをここでたっぷりと楽しんでほしい。