英国のシンガー/ソングライター/ギタリスト、ブレア・ダンロップ(Blair Dunlop)が、通算6作目となるスタジオ・アルバム『ホワット・スティル・サーヴァイヴズ(What Still Survives)』をリリースすることになりました。2012年にデビュー作『Blight & Blossom』を発表し、その後BBC Radio 2 Folk Awardを受賞。以降も英国フォークの伝統に根差しながら、卓越したギター・ワークと現代的なソングライティングを持ち味に独自の道を歩み、英国のみならずヨーロッパ、北米、オーストラリアなど各地で活動してきました。前作『Out of the Rain』(2024年)に続く本作では、これまで以上に自身のルーツと向き合いながら、時を越えて残る歌や物語、人と人とのつながりを見つめています。 本作の中心に据えられたテーマは、タイトルにも示されている“何がなお生き残るのか”という問いです。激しい変化や喪失を経た後にも残るもの、時の流れの中でも失われないもの、そして人々を結び続けるもの……ダンロップはそうした普遍的な題材を、長年培ってきたフォークの語り口と、繊細かつユーモアを交えた歌詞で描いています。そこには彼が幼い頃から親しんできた英国フォークの伝統だけでなく、アメリカ西海岸の偉大なシンガー・ソングライターたちから受けた影響も色濃く反映されています。 プロデュースを手掛けたのは、Mumford & Sons、Travis、Bear's Den、Seth Lakemanなどを手掛けてきた名匠イアン・グリンブル(Ian Grimble)。録音には長年の仲間や共演者たちが集まり、Fred Claridge、JJ Stoney、Holly Brandon、Ellie Gowers、Tommy Heap、Asha Jefferies、Liz Stringerらが参加しています。さらにBilly BraggやKiefer Sutherlandとの活動で知られるペダル・スティール奏者CJ Hillmanも複数曲に加わり、ダンロップのアクースティックなサウンドに新たな色彩を添えました。 全12曲には、時間と生存をユーモラスな視点から見つめる「Trilobite」、西海岸のソングライター文化への愛情を滲ませた「Pasadena」、BBC『Countryfile』の人気ポッドキャスト〈Plodcast〉のテーマ曲として制作された「Take Me With You」の新ヴァージョンなどを収録。この曲は、ダンロップが音楽誌『Songwriting Magazine』のダンカン・ハスケルと共同で立ち上げた〈Bristol Song Circle〉での活動ともつながっており、彼にとって“歌を書くこと”そのものが創作の中心にあることを改めて示しています。 豊かなメロディ、丁寧に練り上げられた言葉、そして経験を重ねたからこそ生まれる落ち着きと深み。伝統に敬意を払いながら、そこに留まることなく現在の感覚で更新していく姿勢こそ、ブレア・ダンロップの大きな魅力です。英国フォークと現代シンガー・ソングライター文化の双方を愛するリスナーに強く訴えかける、キャリアの充実を鮮やかに示した一枚です。
トラックリスト 1. Looking Through 2. Trilobite 3. Dalmatia, Hiding 4. Eventide 5. This Isn't Love 6. Lay Your Head Down 7. Are You Loved? 8. The Alchemist 9. Take Me With You 10. Pax Romana 11. Pasadena 12. Bud On The Bough