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現在も続々と民俗音楽の新録をリリースしている仏ブッダ社。本盤はそんなブッダ社の最大のコレクションである<ミュージック・フロム・ザ・ワールド>からの一枚。 ベトナムの雅楽とも言えるカーチュー(歌札)。その歴史は11世紀頃の発祥とされベトナム語の古語や漢詩が歌われることが多く、宮廷で発展。その後、庶民のあいだで広まったが現在では衰退した。ここでうたうのは元来世襲制であったこの芸能を伝えていた<最後>の女性歌手だ。彼女はベトナム政府や国営ラジオが現在最も優れた歌手として認定している。そのゆったりとした風雅な響きはどこか郷愁を感じさせる。 |