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<ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ>で取り上げられていた多くの曲は、プロデューサーであるライ・クーダーの意向が充分に反映され、正統的なキューバ音楽ではなくどこか田舎っぽいのどかさが残る異端的な曲が多く取り上げられていた。その中でもアルバムの冒頭を飾っていたのは<グァヒーラ>というキューバ内陸部の白人農民の音楽、いわゆるプア・ホワイトたちの音楽だった。本盤ではそんなグァヒーラだけでなくキューバ内陸部にいまも伝わる、スペイン歌謡がほのかに香る、農民たちの歌・演奏をたっぷり聞かせる。即興で歌詞を紡ぎながらうたっていくそのさまは、彼らの<ソウル>の在りどころ示してくれている。 |