2024年より、ポルトガル最古のレーベル Valentim de Carvalho の作品を本格的に取り扱い始めた弊社。これまでファドの女王アマリア・ロドリゲスの未発表アンソロジー作品を中心に紹介してきましたが、もちろんアマリアだけが同レーベルの魅力ではありません。今回は、現代ポルトガル音楽を代表する才女ジョアナ・エスパディーニャを取り上げ、同レーベルの新たな側面をご紹介します。 ジョアナ・エスパディーニャ(Joana Espadinha)は、ジャズ、ポップ、ロック、フォークなど多彩なジャンルを融合させた音楽で人気を集めるシンガー・ソングライターです。1983年6月20日、リスボンに生まれた彼女は法学の学位を取得後、音楽への情熱を追求。ポルトガルのホットクラブでジャズを学び、さらにアムステルダム音楽院でも研鑽を積みました。その後、エヴォラ大学やホットクラブ・ド・ポルトガルでジャズ・ヴォーカルを教える音楽教育者としても活躍。また、Cassete PirataやThe Happy Messといったバンドへの参加や、他アーティストとのコラボレーションなど、多方面で才能を発揮しています。 ソロ・アーティストとしては、2014年にデビュー作『Avesso』をリリース。2018年にはプロデューサーのベンジャミンと共同制作した『O Material Tem Sempre Razo』を発表し、収録曲「Leva-me a Danar」や「Pensa Bem」は大ヒットを記録しました。また、サラ・コレイアやカルミーニョといった人気ファド歌手への楽曲提供を通じ、その才能がジャンルを超えて高く評価されています。 2021年、彼女が発表した3作目のこのアルバムは、全曲の作詞作曲を自身で手がけた意欲作。ジャケットから伝わるポジティヴな印象そのままに、健康的でアクティヴな女性像を描いた内容に仕上がっています。これまで以上に幅広い音楽ジャンルを融合させたサウンドは曲ごとに異なる感情や雰囲気を醸し出し、リスナーを飽きさせません。また、自己探求や愛、困難な状況への対処法といった個人的テーマを扱った歌詞は多くの共感を呼び、特にタイトル・トラックはメロディと歌詞が響き合い、多くのファンを魅了しました。本作はアーティストとしての成熟を象徴し、ジョアナ・エスパディーニャの音楽キャリアにおいて重要な位置を占める一枚となっています。 ルイーザ・ソブラルよりもポップでダンサブルなサウンドが魅力のジョアナ・エスパディーニャ。彼女の音楽と歌声にぜひ注目してください。
トラックリスト 1. O Prncipe e o Sapo 2. Dar Resposta 3. Mau Feitio 4. Astronauta 5. Quem Me Dera Saber Que Sou Feliz 6. Queda Pr Desgraa 7. Um Sentimento 8. A Histria do P de Feijo 9. Ningum Nos Vai Tira
2025年2月23日発売 JOANA ESPADINHA / NINGUEM NOS VAI TIRAR O SOL