Office Sambinha ― オフィス・サンビーニャ

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ベリーズのダブ・ポエット・アルバム

　ガリフーナ音楽を世界に知らしめたストーントゥリー作品の中でもっとも異色な作品といえば、これ。
　リロイ・ヤング・ザ・グランドマスターは1967年にベリーズでガリフーナ人ではなく、クレオール（アフリカ系とヨーロッパ系の混血）として生まれ、同国のラップ・ミュージックのパイオニアとして知られるグループに参加。しかし、その時代の彼は強盗、麻薬の売買といった数々の犯罪に手を染め、親友が打ち殺されるなど荒んだ生活を送っており、その間に２度も自殺をはかったりもしました。そんな生活に嫌気がさし、更正施設にも通ったとのことです。そこで彼は詩を書きストリートでそれを披露するようになり、そんなパフォーマンスが認められ、テレビにも出演。ローカル・ニュースの後にポエトリー・リーディングを行なうコーナーを設けられ、さらに詩集も刊行して知名度を上げました。そんな彼がストーントゥリーから持ちかけられて2003年にリリースしたのが本作です。アフリカやガリフーナのパーカッションを全編に配し、エレキギターやベースの抜き差し、そしてリロイの感情豊かなリーディングがかぶさります。パランダとはまた違う黒さが光ります。