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説明

北米ルーツ・ミュージック伝説の男：レッドベリーの軌跡を追った黄金の３部作

　音の「資料化、保存、普及」を通じ、人々が持つ文化的多様性、相違に対する理解向上／促進を目指している米国の名門レーベル〈スミソニアン・フォークウェイズ〉。今回同レーベルのコレクションからご紹介するのは、アメリカ音楽史に残る偉大な音楽家、ルイジアナ州が生み出した〈アメリカン・フォークの鬼才〉レッド・ベリー（1888-1949 *諸説あり）の1940年代の音源を３部に分けてコンパイルした『レッドベリーの遺産』第１集〜３集です。
　ブルース、フォーク・ブルース、バラッド、ゴスペル、チャイルド・ソングと多岐にわたるジャンルのナンバーを演奏し、500曲を超えるレパートリーを持っていたことから〈ヒューマン・ジュークボックス〉、〈アメリカン・ルーツ・ミュージックの父〉とも呼ばれていたレッド・ベリー。また、優れた技巧を持つ12弦ギター奏者でもあった彼は〈キング・オヴ・トゥエルヴ・ストリング・ギター〉を自称していました。
　自身の音楽的才能に早くより気づいていた彼は、親の目を盗み、10代の頃より近隣の赤線区域内にあるキャビンやダンスホールなどで演奏活動を開始。1905年頃には旅まわりのミュージシャンとして巡業に出始め、以降、テキサス／ルイジアナ周辺地域では名の知れた歌手／ギタリストとして通るようになりました。しかしながら恵まれた音楽的才能を遺憾なく発揮する一方で、その高慢かつ暴力的な性格が仇となり、傷害致死罪、殺人未遂罪、脅迫罪などのかどで、テキサス州ヒューストン郊外フォートベンド郡に位置するシュガーランド刑務所に服役するなど、様々なトラブルも発生。
　そんな彼の存在が〈発見〉されたのは、1933年のこと。当時殺人未遂罪で服役中だった彼を、民俗音楽研究家／収集家のアラン・ローマックスが見出し、獄中で初めてのレコーディングを体験することとなりました。出所後はローマックスの手を借りつつ、ニューヨークでフォーク・シンガーとしての名声を獲得。1941〜47年に至るまでの６年の間には、フォークウェイズ・レコーズの創設者：モーゼス・アッシュ主導でのレコーディングも行い、数々の名演名唱をレコードに刻んで行きました。その６年間に彼が残した音源は、次世代、そのまた次世代のアーティストたちにも影響を与え続け、そのレパートリーの多くはライ・クーダー、レッド・ツェッペリン、CCR、ラム・ジャム、ホワイト・ストライプス、エリック・クラプトン他、ロック系ミュージシャンたちによって今も大切に引き継がれています。
　そんなレッドベリーによる６年間のレコーディングの軌跡を追ったのが本３部作。"ブルジョア・ブルース”と銘打たれた第２集では、〈列車〉を〈受刑者を塀の外へと解放してくれる存在〉として象徴的に歌い込んだ名曲「ミッドナイト・スペシャル」、レッド・ツェッペリンが1970年年にカヴァーした「ギャロウズ・ポウル」など28曲を収録（こちらのみＣＤ-Ｒとなります）。いずれの作品も有名ナンバーが中心となりますので、レッドベリー入門編としても最適なシリーズだと言えます。是非、ご期待ください。

●日本語解説／帯付き

トラックリスト
1. Fannin Street
2. Bourgeois Blues
3. Easy Rider
4. Alabama Bound
5. Don't You Love Your Daddy No More?
6. Gallis Pole
7. Leavin' Blues
8. Midnight Special
9. T.B. Blues
10. Linin' Track
11. Julie Ann Johnson
12. John Henry
13. Jim Crow Blues
14. Jim Crow #2
15. Good Morning Blues #2
16. Abraham Lincoln
17. Army Life
18. Hitler Song
19. Careless Love
20. Haul Away Joe
21. How Do You Know? / Don't Mind TheWeather
22. Skip to My Lou
23. Red Bird
24. Out on the Western Plains
25. Cowboy Song
26. You Can't Mistreat Me
27. Diggin' My Potatoes
28. John Hardy



2024年10月20日発売
LEAD BELLY / BOURGEOIS BLUES: LEAD BELLY LEGACY, VOL. 2