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説明

2025年7月13日発売新譜
〈歌の民の国〉ラトビアに息づく、新旧様々な民謡文化を知ることが出来る一枚

　バルト海東岸に位置する共和制国家：ラトビアの人々は、公私含め日常的に歌う文化習慣を持ち、およそ400万曲以上の民謡が存在。100年以上の歴史を誇る５年に一度の国民行事『歌と踊りの祭典』の平均総参加者：およそ15万人ということからも、民謡が同国の人々にとって主要な芸術表現手段であるということがお分かりいただけるかと思います。今回は、そんな〈歌の民の国〉ラトビアの民謡文化をじっくりと堪能することが出来る一枚『ザ・ラトビアン・フォーク・アンサンブル・オヴ・ニューヨーク Vol.2』（1968年オリジナル・リリース）をご紹介いたします。
　今日存在する民謡の大部分は、芸術音楽の影響を受けた〈文明的民謡〉に属しますが、一方、現代音楽から影響を受けていない原始的な民謡については、ヨーロッパではバルカン半島、スコットランド、フィンランドといった一部の地域にのみ現存しており、ラトビアを含むバルト三国もこのグループに含まれています。ラトビア民謡については、19世紀から20世紀前半にかけ同国で最初に広範囲に及ぶ採譜行われた際、〈原始的〉なタイプと〈文明的〉なタイプがほぼ同率で浸透しているということが判明しました。後者は教会音楽、さらに旅回りの職人などによって歌い演奏されていた音楽の影響も受けており、厳格な拍子、明瞭で規則的な小節とフレーズ、三和音などがその大きな特徴となり、一方、影響を受けていない原始的な民謡はより柔軟性に富み、変拍子などもその大きな特徴の一つであるとされています。一連の民謡は、新旧いずれも田園風景などを背景に、生活のあらゆる側面を描き出したものが大半。ちなみに同国最古の歌は結婚式における詠唱（朗唱）であり、かつて新郎新婦の間で繰り広げられた歌合戦は〈昼も夜も絶え間なく〉繰り広げられたと伝えられています。
　そんなラトビア民謡の魅力を紹介した本作には、ラトビア最古の民謡、現代の作曲家によって編曲された原始的な民謡、そして芸術音楽の影響下に創作された文明的な民謡全17曲を収録。男女の澄みきった歌声によるユニゾン〜ポリフォニー・コーラスの美しさは、やはり歌の本場といったところです。そんな美声による舞踊曲、バラッド、労働歌、合唱曲をさらに美しく彩るのは、共鳴箱に複数の弦を張ったチター型の弦楽器〈クアクレ（コクレ）〉や、stabule（フルートの一種）によるきらびやかな演奏。爽やかな田園風景が想起される、非常に美麗なアンサンブルとなっています。なお、ＣＤ-Ｒ内に収められたライナーノーツのデータ（PDF形式）には、全楽曲の背景情報とラトビア語による歌詞が掲載されていますので、ラトビア民謡をさらに深く掘り下げたいという方は、是非こちらもご一読ください。

●日本語による説明をつけた帯を商品に添付して発送いたします。日本語解説は同封しておりません。予めご了承ください

トラックリスト
1. Kalabadi Galdinam (The Table)
2. Garais Dancis (The Long Dance)
3. Tris Dziesmas Iz Tautas Mutes (Three Folk Songs)
4. Kade Parnaksi, Balelin? (When Will You Return?)
5. Siena Plava (Hay-Making)
6. Lakstigala Kroni Pina (The Nightingale)
7. Es Ar Sauli Sadereju (The Race)
8. Iga
9. Likumu Deja (The Winding Dance)
10. Gaismina Ausa (The Dawn)
11. Sidrabina Lietin? Lija (Silver Rain)
12. Rik U Beri Es Palaidu (A Suitor's Song)
13. Apalais Meness (The Round Moon)
14. Lejas Kurzemes Gavilu Balsi
15. Noriet Saule (Evening Song)
16. Gerbies Saule Sudrabota (The Sun's Suitors)
17. Es Redzeju Jurina (I Looked Out on the Sea)



2025年7月13日発売
THE LATVIAN FOLK ENSEMBLE OF NEW YORK / THE LATVIAN FOLK ENSEMBLE OF NEW YORK, VOL. 2 (CD-R)