2025年2月21日イベント

 
テーマ:ヴァレンティン・デ・カルヴァーリョ
ゲスト:月本一史(リスボン市立ファド博物館公認アンバサダー)
会場:東京・田端 CINEMA Chupki TABATA

 

 

音楽を“共に学び、感じ、未来へつなぐ”ための場であり、ワールド・ミュージックの枠を超えた、より開かれた音楽との向き合い方を提案するプロジェクト

音楽を共有資源として再発見すること

「Global Music Commons」は、世界各地の音楽を単なる“異文化の紹介”としてではなく、人類共通の知的・感情的財産(コモンズ)としてとらえ直し、それを共有・再解釈していく場を提供することを目指しています。
 

多様な音楽文化への理解を深めること

従来のワールド・ミュージックや伝統音楽、ロック、ジャズ、フォーク、クラブ・ミュージック、クラシックなど、さまざまな音楽文化が生まれた背景や価値観を丁寧に掘り下げることで、音楽を通じた多文化理解を促進します。
 

聴き手・演奏者・研究者をつなぐこと

演奏・トーク・映像などを通じて、リスナー、ミュージシャン、音楽学者、プロデューサーといった多様な人々が交流できる「場」を創出し、ジャンルや立場を越えた対話を育みます。
 

世界の音楽の“これから”を探ること

過去の遺産を振り返るだけでなく、現代のグローバルな音楽環境の中で、伝統と革新がどう結びつき、新しい音楽文化がどう生まれていくのかを探求することも目的の一つです。
 

 つまり、「Global Music Commons」は、音楽を“共に学び、感じ、未来へつなぐ”ための場であり、ワールド・ミュージックの枠を超えた、より開かれた音楽との向き合い方を提案するイベントシリーズです。

 

なぜ『World Music Commons』 ではなく『Global Music Commons』にしたか?

今回の『Global Music Commons』というイベント・タイトルにいて、あえて「World Music」という言葉を使わなかった理由は、従来の「World Music」というカテゴリーが抱える問題点やステレオタイプ的な捉え方を避け、より包括的で対等な音楽文化の共有という理念を前面に出すためでした。
 

固定観念の打破と新しい視点の提示

従来の「World Music」は、しばしば西洋中心の視点から非西洋の音楽をひとまとめにし、エキゾチックな「他者」として扱われることが多いです。これでは各地域や文化が持つ多様な個性や独自性が十分に表現されません。『Global Music Commons』は、音楽が国境や文化の壁を越えて全ての人に共有される共通の財産であるという理念を前面に出し、より包括的な視点を提供すると私たちは考えています。
 

世代を超えた音楽体験の促進

World Music」という用語は、1970年生まれの私にとって一世代上の層に馴染みがある一方で、私たちより若い世代には固定観念として捉えられやすいという現実があります。今回、学生さんを無料参加とするなど、若い世代にも世界各国の音楽に触れてほしいという意図から、あえてより新しい言葉で表現することで、固定化されたイメージから解放された音楽体験の場を提供しようとしています。
 

共通財としての音楽の再定義

Commons」という言葉には、誰もが共有できる公共の資源という意味があると思います。『Global Music Commons』は、音楽が特定の地域や文化だけのものではなく、全人類にとって価値ある共通の遺産であることを強調する意図があります。
 

 これらの理由から、従来の枠にとらわれない、対等で包括的な音楽文化の共有を目指すために、あえて「World Music」という用語を使わず、『Global Music Commons』というタイトルを採用しました。